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BAD guys(ヴィラン・鬼・悪役)R18短編

第1章  Bocca della Verità 死柄木弔(ヒロアカ)


「違わないわ」

「…え?」

「私だって…自分の意思でヒーローになってからずっと、明確な殺意を持ってヴィランを殺してる」

「…初めて殺意を持って殺したのは?」

「ヒーローになってすぐよ…シミズ刑事の提案を受ける条件として、私はあるヴィランを最初のターゲットに指定した」

「お前になんかしたやつか?」

「いいえ…ナオの家族を殺したヴィランよ」

「恋人の仇…ってわけか」


いくら恋人のためだと言っても、憎むべきヴィランの前で脚を開き、男根を挿入されるなど、平気なわけがなかったはずだ

死柄木が珍しく気の毒そうな顔をする

「殺してやろうと思って殺した人間の、イチモツを膣から取り出すのは気が狂いそうになったわ、最初の頃はずっと吐いてた」


遠い目をして呟く歩

死柄木は、歩と自分の何が違うのか分からなくなっていた

同じように幼少期のトラウマによって個性が変異し、殺意を持って相手を殺す

でも俺はヴィランで、コイツはヒーロー


「俺たち、何が違うんだろうな」

「さっきも言ったわ、何も違わない…手を差し伸べてくれる誰かがいたかどうか…それだけ」

「ガキの頃の転弧に聞かせてやりたいぜ、お前ともっと早く出会ってれば…」

そこまで言いかけてやめた

早く出会っていれば何だと言うのだ

自分は別に今の自分でいいし

ヴィランになったことを後悔もしてない

全部ぶっ壊れればいいと思ってるし、ヒーローになりたくもない


ただ、心の奥底にいる"志村 転弧"を救ってやりたい

そんな甘い考えがあるのかもしれない


「あなたは間違ってない」


そう歩に言われて、何かが溢れ出しそうになった

ああそうか、俺は肯定してほしかったんだ

生きていていいって誰かに肯定してほしかった



運命のパートナー


あながち間違ってないんじゃねぇか


誰にも受け入れられることのなかった自分を肯定してくれる存在


お前がそうなら、俺もお前を肯定してやる


誰が何と言おうと歩は美しく、素晴らしい個性の持ち主だって

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