第1章 Bocca della Verità 死柄木弔(ヒロアカ)
ーボッカデラベリタ
最近よく聞くヒーローの名前
そいつに
その女に
何人のヴィランが消されただろうか
その女の個性は真実の口…
ーただ
それがどんな個性なのかはハッキリと分からない
何故なら…
彼女の能力を知って、生きて戻った奴はいないからだ
「おい、黒霧お前のワープゲートで連れてこいよ」
死柄木はバーカウンターの向こうにいる黒霧に言う
「どこにいるのかも分からない人を連れてくることは出来ません、それに噂によるとあなたに似た個性だとか…死柄木弔」
そう、ボッカデラベリタが去った後には無惨にも壊死したような腐った屍が遺されているというのだ
「崩壊系の個性か…真実の口って言うからにはキスか何かで殺してんのか?夢のある殺し方だな」
「どこの組織にも属してないという噂ですからね。それにヒーロー協会は彼女の存在を公にはしてませんし」
「相手はヴィランだっつっても捕まえんじゃなくて殺しちまってるからな、孤高の殺し屋ヒーローってことか…物騒だな」
「それに暗殺されてるヤツらは大物ばかりです…あなたも狙われるかもしれませんよ?死柄木弔」
「はは、美女にキスで殺されるなら本望だな」
「でもそれが本当だとしたら、ヒーローらしからぬ妙な個性ですね」
にしても、キスで殺されるって分かってれば避けようがあるだろうにみんながみんなこぞって殺されてんのは何でだ
彼女について詳しいことは誰も知らず
ただとんでもない美女が何故か喪服を着て現れるのだと言われているだけで、実際の所はよく分からなかった
死柄木弔の個性は突然変異、過去のショッキングな出来事がこの個性を開花させた
だとすればヒーロー側に同じような個性を持つ人間がいるのは何故か…
こうして死柄木弔は彼女に興味を持つこととなった