第16章 みんなで呑もうよ♪
「家?家は…。」
いや、その前にここは何処だ?
ガサガサと音がして、地図が差し出される。
カカシ先生が一箇所に指をさした。
「現在地がここ。」
「え、うそ?」
家からぜんぜん離れてる。
「家ここです。」
「ね?木渡り無しでここまで休眠状態の体を動かすってかなり無理ない?」
「はい…。」
どういうこと?
じゃあ、本当に誰かが…?
「俺は第三者の線が有力だと思うよ。」
第三者…。
あそこにいたのは鬼鮫さん…。
まさか、手加減して…。
カカシ先生を見上げると、少し脱力するように苦笑する。
「干柿鬼鮫、だろうねぇ。」
やっぱりか…。
「日向ネジより捻くれてると思う…。」
「くくっ。そうかもな。」
…そうだよねぇ。
昨日…いや五日前?後ろを取ってたんだから、そのままバッサリいけば良かったんだよ。
なのに、態々話しかけて。
豪火球の狙いだって分かった上で受けて立って…。
「暁がお前を狙ったんなら、奴らにとっての不都合をお前が持ってるからなんだろうさ。そうと分かった上で、お前は助けられた。」
「はい…。」
ある程度本気で攻撃してきたのは、次に会った時は敵同士ですね、って意味なのかしら。
「鬼鮫さんって、気難しいどころじゃないくらい気難しいんです。」
「みたいだな。」
先生はそう言って苦笑した。