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もう一度、を叶えるために。second

第15章 決別





「……、お…ろ、おい、エニシ。」

「んあ…?なになに…?」

起き抜けの回らない舌と頭を懸命に動かして揺すり起こした人を見上げる。

イタチだった。

あれ?隣の建物で休んでたんじゃ…?

「…ってか、いまなんじ…?」

気のせいでなければ空がまだ暗いような…。

「今、五時過ぎだよ。」

「エニシ、暁に狙われてるんだって。」

「だから今のうちに逃げないと。」

双子が代わる代わるそう言うのを、ぼーっとした頭で咀嚼する。

暁に狙われてる??

私が??

何で??

「…何故なのかは俺も知らない。が、指令が降りれば否応なく戦わなければならなくなる。その前にここから逃げろ。」

指令が降りれば…?
んじゃまだ降りてないってことじゃん。
あ、いや、そういえば…。
昨日、小南がそんなような事言ってたな。

「でも、指令が出るってよく分かったね。」

大抵、そういうのって鬼鮫さんが情報持ってくる。さすがはオビトの腹心ね。
その鬼鮫さんは、昨日の時点で不死身コンビの襲来を予測できてなかったみたいだし。
そうなると、昨日まで任務中だったイタチが確かめようがない状態なわけで。
だから、そういうこと掴んでたのがちょっと珍しいっていうか。

「…俺も暁だぞ?」

あ、ちょっと拗ねてる。
また、読まれちまったい。

「ごめんごめん、いつもだったら鬼鮫さんの役目なのになぁって思っただけ。」

「まぁいい。兎に角、急いで支度しろ。」

「OK。まぁ、そんな持つ物もないから、今すぐ出るよ。」

「落ち着いたら連絡する。」

「あ。じゃあ、バルブを少しだけ開いとくよ。そうすれば、私の居場所が何となく分かるだろうか
ら。」

「…あぁ、分かった。遭遇してもくれぐれも応戦しようなどと思うなよ。」

「分かってる。ひたすら逃げまくるから大丈夫だよ。イタチこそ、無理しないでね。」

そう言うと、イタチは僅かに微笑んで一つ頷いた。
それを見届けてから、私は双子達を促し、ゴンと蛇君を抱きかかえて外に出る。
薄暗がりの朝一番。
当然、底冷えする寒さだ。

「じゃ、行くね。」

「あぁ。」

イタチに振り返って言うと、複雑そうにしながらも背中を押すように頷きを返してくれる。
私達は彼に見送られながら、南側へと歩きだした。

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