第13章 思ってたよりも綺麗な人
「お待たせ〜。」
今日はバイトの日。
双子達は、最近あまり外へは出かけなくなった。
何処か遊びに行ったらいいのに、と思うものの、言っても首を横に振るばかりで遠くに行く気はないらしい。
今日は更に珍しく、私についてくると言い出して、勤め先である病院の近くの森の中でひっそりと待っていた。
「今日は二人とも何してたの?」
「う〜ん、色々。」
「うん、色々練習してる。」
「何を?」
聞いてみても、
「「なんでもな〜い。」」
いつも通りのツーンと澄ました様子で目を逸らす。
ほんとにいつも何やってんだろねぇ。
ま、いいや。
ともかく帰ろう。
「今日も走り込み?」
「そだね。修行の初歩だし、こういう仕事してるとどうしても体が鈍るからさ。」
病院勤務って忍業と違って動かないんだよね。
…まぁ、比べればみんなそうか。
「修行!」
「やる!」
やる気は十分やね。
「んじゃ、いくよ〜。よ〜い、どん!」
合図と共に、瞬間的に全力疾走になる二人。
瞬発力すんげぇ。
「はやっ。」
さすが虎。
こっちのが置いてかれないかとひやひやする。
私もちんたらしてられないわ。