第13章 思ってたよりも綺麗な人
「ここ最近さ、千客万来だと思わない?」
ちょうど目の前にイタチとデイダラが並んで座ってたもんで。
イタチに話しかけてみた。
「…突然、どうしたんだ?」
「いやさ、ゴンちゃんから始まり、デイダラとサソリさんでしょ?タマとミケも来たし。今年は出会いが多いなぁって思ってさ。」
デイダラとイタチのツーショットってのも奇妙なもんだよね。
デイダラの一方通行とはいえ、いがみ合ってるのが本来の流れだし。
「良かったじゃねぇか、うん。」
デイダラの相槌にはて、と内心首を傾げる。
「…何が良かったんでしょうか?」
「オイラにも会えたのはラッキーだったんじゃねぇか?」
「そう…なのか?」
デイダラ達は寧ろ、出くわさない方がいい部類だよね?
「おい。」
半眼を向けられて、慌てて言い繕う。
「いや、うん、ごめんて。今でこそ普通に話せるけどさ、知らなければデイダラもサソリさんも怖い部類の人でしょ?そう思うと、結果的に良かったものの…って思うじゃん。」
そう言うと、納得するように腕を組んだ。
「まぁ、オイラは強ぇしな。怖がられるのも無理はねぇか。」
ちょい引っかかるけど、
「ま、そういうこと。」
暁だし、怖がられるのはしょうがないって事さ。
ドン、ドン。
話の区切りがつくと同時に玄関ドアが叩かれた。
「あれ、二人とも今日早いね。」
最近、双子は家に入る時は前足でダン、ダンと叩くようになった。
ドアノブが難しいんだって。
まぁ、虎の手で人間の道具を扱うのって確かに難しいよね。
私は、パタパタと駆けて行ってガチャリとドアを開けてあげた。
「今日は早い…。」
しくった…。
開ける前に確認するんだった…。