第11章 そうだ、野菜を贈ろう!
「ねね、プレゼントって言ったら一番最初に何浮かべる?」
「…は?」
「藪から棒に何ですか?」
脈絡もなくイタチに聞いてみたら、すっごい微妙な顔された。
鬼鮫さんに至っては、多分右から左に流す気だな。
「ナルトに野菜を贈ろうと思うんだけどさ、なんか野菜だけってのもなぁと思って。」
実際はナルトのプラスαは決めてある。
サスケが決まんないんだよね。
メッセージカードは送るつもりだけど。
「野菜だけでいいんじゃないですか?そもそもあの餓鬼に贈る必要あります?」
「そもそもの大前提は崩さない方向でお願いします。野菜を送るのは決定です。」
やらないと永遠に食べなさそうだし。
嫌でも送り付けてやるって前々から決めてたし。
「折角農家と契約できたんですから使わにゃ損ですよ。」
とある暁任務の帰り道、偶々立ち寄った農家があったんだ。
けど、植物の病気が蔓延してたらしくて貧困に喘いでたみたいでさ。
昔、農業のことはちょいと調べたことがあって、知識はある方だったの。
薬学にも精通してたから、一宿一飯の恩返しで解決したのよ。そんなに難しい病気でもなかったしね。
そしたら、土壌がいい土地だったらしくて、お礼としてくれた野菜がかなり美味しかったんだよね。
んで、一も二もなく年間契約。
幾らかお支払いして、好きな時に野菜を分けてもらえる事になったのさ。
「本当にあなたの物好きには呆れますよ。」
「そこはグッジョブっていうところですぜ。」
「ぐっ…なんですって?」
「”いい仕事したね”って意味です。」
「…聞き返した私が馬鹿でした。」
「ひどいが酷い。」
ちぇっ、冷たいんだから。