第9章 久々に血が騒ぐわ…!
改めて考えたら、確認らしい確認を取らないまま、勝手に進めちゃった感があるからさ。
それに私は確認してもらったのに、私より年下の白が気遣われないってのも…なんだかなぁって思うし。
「昼間も言いましたけど…。僕もエニシさんの考えは理解できます。相手に刃を向けるからには覚悟はしていますし、振り返ることはしません。ただ、命の重みは尊重します。無条件に奪われていい命はないと僕は思っていますから。僕が殺めるのは、自分や大事な人を守るための手段の一つなんです。」
淡々と言う白に、思わず感嘆のため息をついた。
「…人間が出来てるわ。何したらそんな出来た人間になれるのかしら。」
何度も言うようですが、年下です。
「てめぇが餓鬼過ぎるだけだろ。」
「お父さんの教育の賜物だったりして。」
「誰がお父さんだ、てめぇこら。」
「あなたのお子さん、超優秀で羨ましいですな。」
「煩せぇ。」
「いてっ。」
ばしっと頭をはたかれ、白はくすくすと笑う。
「お前は、うちはイタチに頼らなくて良かったのか?」
「頼りましたよ?」
交渉してもらったし、知恵も貸してもらったし。
「あんなの頼ったうちに入るかよ。そうじゃなくて明日のゴミ掃除もやってもらや良かったじゃねぇか。」
「ゴミ掃除。ははっ笑える。」
白とは大違い(笑)
「…ん〜、イタチにねぇ。」
すっごい気が進まない。
「出来れば血生臭いことからは一歩引いてほしいなって思ってるんで、手伝ってほしいとは思わないですね。」
「お前はいいのかよ。」
「別に構わないですよ。人の死への倫理観なんてあって無いようなものだし。そんな私が医者やってんのが不思議なくらい。」
「案外と向こうもそう思ってんじゃねぇか?」
「そうですか?」
「昼間、お前が白の問いに答えてる時、随分と沈んだ顔してたぞ。」
「イタチが?」
ちょっとびっくり…。