第9章 久々に血が騒ぐわ…!
「あ、これラム酒だ。」
ラベルを見てみると当たりだった。
「呑んだことあるのかよ。」
「さすがに呑みはしないけど、これのシロップがお菓子作りによく使われてたんですよ。」
おばちゃんが好きでよく使ってた。
どうせなら冒険しないで知ってる味をいただきますか。
さてさて冷蔵庫には…。
「お、レモンシロップにオレンジシロップ、パイン、ココナッツミルク?こっちは…何だこれ?」
ま、いいや。
とりあえず、外れなしの柑橘系からいってみますか。
「ラム酒を水で割って、レモンシロップとオレンジシロップ投入、と。氷も一個ほしいな。」
マドラーでかき混ぜて…。
ここで一口。
「…っ!!ごほっ…!濃い…!!」
喉が焼ける…!
これ幾つよ!?
「…アルコール度56%…。」
バカみたいな数字…。
焼けるわけだ。
水と酒の割合が1:1だもん。
水増し水増し…。
今度こそ。
「ふぅ…。知ってる味になったわ。」
あ〜焦った〜。
もうちょいシロップ足しとこ。
「うま〜…。これ絶対高いヤツですよね。」
お酒そんなに詳しくないけど、いいヤツって分かるくらい味っていうか匂いが違う。
「俺にもロックでよこせ。」
「はいはいロックね〜。えーっと…って、いやいやいや。アルコール56%をロックは危険ですって。せめて水割り1:1でしょ。」
「つべこべ煩せぇな。いいからよこせよ。」
「知らないぞ〜。」
も〜、うわばみでさえ危険な数字だってのに〜。
…しょうがないから、グラス1/3注いで大きめの氷を入れる。
すると、カラカラン…といい音が鳴った。
「はいどうぞ。」
私から受け取ったグラスを迷いなく口に含むと、少し眉が寄る。
「確かに、こりゃ強ぇな。」
そっと添えといた水さしが早くも役に立った。
それでも半分入れたか入れないかで、めちゃくちゃ濃いんだろうなっていう予測がつく。