第8章 暁に依頼します!
帳簿と睨めっこして、現場にも幾つか出向いて様子を見るに留まった。
特にこれといった問題点も見つからず、その日は終了。会社の仮眠室に泊まらせてもらって一晩過ごした。
そして、次の日も問題点を見つけるべく、今度は前年度の帳簿と比べてみることにした。
そしたら…
「あれ、ここだけ数字が可笑しいなぁ。」
とある部門の一角だけ、前年度より不自然に売り上げが合ってなかった。
…切実にエクセルがほしいわ。
電子化して一目瞭然にしたい。
ちまちまグラフに書いてかなきゃいけないのは地味にしんどい。
「ほら、ここの部門だけ数字が落ち込んでるよ。」
二人に見せると、顔を見合わせた。
「ここの担当は…確か元ガトーの手下だったかと。」
「もしかして猫ババしやがったか…?」
「ちょっとさ、三人でそいつに会ってこようよ。」
ってことで、三人で行くことになった。
行ってみれば、そこは荷物の定期便が出るエリアで、荷運びがひっきりなしに行われている。
とても寂れてる感じじゃなかった。
これで売り上げが落ち込んでるのは可笑しい。
「おい、ちょっと面貸せ。」
斬不斬さんが別室に引っ張り、取り調べスタート。