第8章 暁に依頼します!
っていうのが、私達の出会い。
それから三年経った頃、いきなり鷹が飛んできた時には凄いびっくりした。
括り付けられた手紙を見るまでは、すっかり忘れてたのよ。
それで、気が向いた綱手様達と一緒に波の国へと入り、なると大橋ら辺にいたら、一回り大きくなった白に出迎えられた。
元カンパニーへ案内されて、そこにいた斬不斬さんと白が並んだ時、思わず涙ぐんじゃったのさ。
良かった、って思って。
そしたら、二人に気づかれて苦笑された。
白からは「あなたのおかげです」って言われて益々涙が溢れちゃった。
あの時本当に、言って良かった。
で。まぁ、そこからがちょっと大変だった。
斬不斬さんはガトーと仲が悪かったとは言え、他人から見たら斬不斬さんも立派なガトーカンパニー。
ガトーの後釜に収まっただけで極悪人には変わりはない、というのが地元民の皆様の常識。
まずはそこから改訂しないと全く話が進まない。
これは斬不斬さん達じゃあ荷が重いってんで、さて私の出番だ。
…つっても私に特別な力は何もないんだけど。
私に出来ることって言ったら根気強く向き合うこと。来る日も来る日もめげずに声をかけて打ち解けてくれるまで粘った。
そしたらタズナさんが折れてくれて話を聞いてくれるようになり、それをきっかけに他の人も耳を傾けてくれるようになった。
そして、行われたのが和解会談。
代表でタズナさんと斬不斬さんが臨み、私が仲介に入った。
賠償として、タズナさん達は向こう三年間は関税なしで波の国を通れることとし、また、関税も料金や設置場所の大幅な見直しがされることとなった。
とりあえず、和解が無事成立されて良かった。