第7章 お宝探しにご同行〜
同じ要領で五箇所ともクリアとなった。
中央に戻ってみると、光がドーム(球体?)の丁度中心部で交わっていて、何かが浮いてるように見える。
「ねぇ、何か浮いてない?」
私がイタチの袖を引っ張って指を指すと、目を凝らすように少し細めて、光の中心部を見る。
「俺には見えないが…。」
「私にも何かがあるように見えますね。」
鬼鮫さんには見えた模様。
…こりゃ、後で目も診なきゃな。
まぁ、とにかく。
先にこっちをなんとかせにゃ。
「あれってさ、どうやって取ればいいの?」
上下左右何処から取ろうと思っても距離があり過ぎて取れない。
唯一方法があるとすれば、上から真っ逆さまに落ちながらゲットする方法。
その場合、真下にある巨大香炉に真っ逆様に落ちるから壊しちゃうと思う。
そうすると、またあの気持ち悪い蔦とご対面〜ってことになる。
…やだなぁ、あれ嫌いだわ。
「そういえば…、香炉に書いてあった文言は確か、”灯火照らす如来、指し示す光、希望へと辿る導べ”でしたよね。」
鬼鮫さんから思い出したように尋ねられ「あぁ」と思い出す。
「ありましたね、そんなの。確かそれで合ってると思いますよ。」
あれ…?
「ということは、”灯火照らす如来”は仏世尊の仏像のことで、”指し示す光”はこれのこと?」
光が交わった所が”指し示す光”とするとしっくりくる気がする。
小ちゃな仏像は関係なかったね。
「そうなると、”希望へと辿る導べ”にも何かしらを示すものがあるのでは?」
「そうだな…。確かにそう考えれば辻褄は合う。」
鬼鮫さんとイタチは頷き合う。
「となると、香炉か上の仏像が怪しくない?」
単語だけでなく文が書いてあるのはこの二体。
私なら、ここに仕込むな。
そう思った私は、先に香炉の方を見に行く。
相変わらずいい匂い。
これ、何が調合されてるんだろ。
麝香?伽羅?白檀?
うーん、どれも似てるような似てないような…。