第7章 お宝探しにご同行〜
「ダメ元でさ、全部回ってみようよ。」
「時間がかかるぞ?」
「どうせここを空けるならリスクは同じじゃない?本当に全部同じなのか確かめてみようよ。」
「私もその方がいいような気がしますよ。さっきの仏像が最後の罠なのでしょう?とすれば、あとの罠なぞ大したことはないんじゃありませんか?」
鬼鮫さんの言葉にイタチは考え込んだ。
「ふむ…。なら、行ってみるだけ行ってみるか。」
「うん、そうしよう。」
ってなわけで、巨大ライトが丁度照らされた穴に入ることになった。
「さっきと同じ一本道っぽいね。」
でも、またさっきみたいに罠があるわけでしょ?
それをいちいち避けて通って、なんて面倒よね。
「あ、いいこと思いついた。」
「お前のそのセリフを聞くと不安にしかならないんだが…。」
「やーだ。気のせい気のせい。」
イタチにパタパタと手を振ってから分身を一体出す。
「…何する気だ?」
「単純に、これを投げ入れようかと。」
「本当に単純ですねぇ。」
私が分身を指差して言うと、鬼鮫さんは笑い、イタチは肩を落とした。
「力技にも程がある。」
「だって、罠を避けるの面倒なんだもん。」
無駄に疲れるし。
言いながら影分身を出すと、二人で分身を持ち上げて「せーのっ!」と穴に投げ入れた。
ガシャバキドカ…みたいな音が聞こえて、そっと穴を覗くと、もわもわっとした土埃の先に分身がへたってるのが見えた。
どうやら、さっきよりかは罠が少ないらしい。
「ふむ、入れそうですねぇ。」
「そうみたいですね。」
鬼鮫さんが入り、私が続いた。
「あれ…?」
数歩進んでイタチが来ないことに気づいた私は引き返した。
すると、すぐそこで額を抑えて項垂れてるのを見つけて、手を掴んで揺らしてみた。
「行こうよ。」
「…分かった。」
イタチは重い腰を上げるように、私に引かれて歩き出した。