第6章 逃がさないんだから…!
「さて。ではそろそろ戻りますか。」
鬼鮫さんはくるりと背を向ける。
「お、任務完了ですか?」
「そうだな。ここにはもう用はない。」
イタチの一声で任務終了が決定される。
ばんざーい!
「やったー!宿♪お風呂♪ふとん♪!」
「それにはここから走らなければなりませんねぇ。」
「げっ。」
私のるんるん気分を、鬼鮫さんは楽しそうにぶち壊す。
まだ体力は完全には戻ってない。
脱水の気あり、チャクラ切れの気あり…。
「…歩いて行こうよ。」
「ちんたら歩いていたらいつまでかかることやら。私は嫌ですね。」
けーち!!
「人の忠告を聞かないからそうなるのですよ。」
こんちくしょー!
「…おぶってやろうか?」
イタチがそろりと言ってくれた。
言ってくれたんだけど、それってどうよって思わない?
だって元気そうに見えても、一応病人よ?
「いや…。うん、大丈夫。頑張れる。ってか頑張る。」
イタチにおんぶされるくらいなら走る。
「そうそう。自分のことは自分でしなければ。」
「当たり前の事だと分かってはいるけど、カッチーンってきますよね。」
走るよ。走りゃーいいんでしょ!
「そういう事ですよ。」
「うがぁぁぁ!!!」
ニヤリと笑った顔がまた憎たらしいったらありゃしない!