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夜と月と雨が降っても

第1章 月から









『あのさ』


まってやっぱり理解できない
妄想?こんな意思もなく妄想が続く?
どういう、こと
これ
誰の声



『もう 泣かないでよ』



誰の声、ううんもうわかってる
これは
これは


「リョーマ……くん?」

いつも口にしてるその名前
何度も何度も口にしたその名前を声に出した
自分の声で、その名前をそれに向かって
そんなわけない、そんなことあるはずない
そろそろ夢が覚める、やっぱり夢かとため息をつくんだ、だから信じるな


『余計なこと 考えなくていいから』


まるで、そうまるで
自分が考えていたことに反応して、その言葉が脳に飛び込んでくる
そんなわけない、夢だと否定した頭に違うとでも言うように
優しく、触れる感覚さえ
自分の頭に
その手が、触れている感覚
誰かが触れている
リョーマくんが、触れている
リョーマくんが、自分に話している
リョーマくんが、私だけに話している
こんなことが起きるのだろうか
わからない、
例えるなら頭の中は、大迷宮
細かい枝先のような思考回路が広がる
私は頭の中の迷宮を辿る
どっちに進めばわかるのか
どっちに進めば






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