第8章 ◇ 誕生日 ◇ 夢主視点 ◇

「ならなんで部屋に行くの？」

ロー）「…」

「誕生日が嫌いなの？」

ロー）「…違う」

「誕生日に何かあった？」

ロー）「…違う」

「…お祝いされるのが恥ずかしいの？」

ロー）「…」

「え？そうなの？」

ロー）「…うるせぇ」

「ふふっ。ロー可愛い」

ロー）「…別に、恥ずかしいんじゃなくて…慣れてないだけで」

「ふふっ…そっか」






私が笑えばローはさらに力を入れた





ロー）「…お前…」

「え？何？」

ロー）「…お前の、誕生日は？」

「…」

ロー）「…誕生日…分からないのか？」

「…そうなら、良かったな」

ロー）「？」







ローが私の胸元から顔を上げた



私はローから視線を外して窓の外の空を見た




外は真っ暗だった









「…私の誕生日は…私の命日になった」

ロー）「…」

「あっちの世界で、私が死んだ日…その日が私の誕生日」

ロー）「…」





私がそう言えばローは少し体を起こして上から見つめられた




ローに視線を向ければローは酔ってる顔で真剣な顔をしていた






「ロー…お願いがあるんだけど」

ロー）「なんだ？」

「私に誕生日をちょうだい」

ロー）「は？」