第19章 ◆ バレンタイン② ◆ 夢主視点 ◆

屋根から降りて2人で街を歩き出す




ローが手を差し出してくれて、それが嬉しくて
笑ってその手を掴んだ



自然と笑みがこぼれる







「ふふっ、デート嬉しい…ローと2人…ふふっ」

ロー）「…ふっ」







ローと歩けるのも嬉しいけど笑ってるローが隣にいてくれる



これが1番嬉しい




そんな事を思っていれば






ロー）「今日イッカクと何してたんだ？」

「え？」





ローの言葉に驚いてしまった



まさか聞かれると思わなくて






ロー）「俺より先にイッカクとデートしたんだろ？何してたんだ？」

「…ぁ、…っ、」

ロー）「？」






そういえば忘れてた




私、あんな…恥ずかしい物を、買ってしまったんだった





ローは私の反応に足を止めて目を向けて来た



ローの視線を感じるけど顔があげられない







ロー）「は？」

「…っ、…ぁ、ぅぐ…」

ロー）「は？」







あれをバレンタインだって言って渡したら
ローは、私を…どう思うだろう…




変態だと、思うかな…
いや、間違えてないんだけど




イッカクは喜ぶって言ってた…
私も、ローは喜ぶ…と、思う、けど
それまで平常心でいられるか？






ロー）「どうしたんだ？」

「っ！」






えぇい！覚悟を決めろ！



定員さんにのせられたとはいえ、最終的に買うと決めたのは私なのだから！





繋いでいる手に力が入り…私が顔をあげれば驚いているローの顔







「ろ、ロー！」

ロー）「なんだ？」

「私、初めてで、その、あの…」

ロー）「待て。落ち着け…どうしたんだ？」

「バレンタイン！当日、待ってて！つい、持ってきてしまったけど、考えたら今日バレンタインじゃないって気付いて…その、」

ロー）「…」






口が震える…少し視界がボヤける



顔が熱くなる感じ…そんな私を目を見開きながらずっと見てるロー