第18章 ◇ バレンタイン ◇ ロー視点 ◇

ロー）「…お前、怒ってたんじゃねぇのか」

「え？怒ってないよ？」






俺の言葉に目を丸くしていたアヤ






ロー）「怒っているから船から降りて来たんじゃねぇのか？」

「え？違うよ」

ロー）「ならなんで船から降りたんだ？」

「…う"ぅ"…えっと、なんと言うか…」

ロー）「？」







アヤはぎこちなく視線を泳がせ抱えていた膝に顔を埋めた






「怒っては、ない…怒っては…」

ロー）「…」

「なんと言うか…その…別に、分かってたのに…」

ロー）「は？」

「ローがモテるの…分かってたのに…」

ロー）「…」

「あんな、抱き着かれたのだって…初めて見た訳じゃないのに…」

ロー）「…」

「今まで、ローの事、いっぱい女の人に声掛けられてたのだって…知ってたのに…」

ロー）「…」

「最近のロー…私に、隠し事してるから…モヤモヤってして、変な感じになった」

ロー）「…」






俺は今どんな顔をしているだろうか


恐らく変な顔していると思う







「この島で、何かやってたんでしょ？それが何か知らないけど…なんか、自分の中で変な感じになって…少し頭を冷やそうと思って…意味わかんないね、ごめん…」

ロー）「謝るのは俺の方だ…悪かったな…不安にさせた」






俺の言葉にアヤの肩が少し跳ねた




そしてゆっくり顔を上げ俺に目を向けた