* 忍のハート ✿ 番外編 *【ONE PIECE】
第15章 ◆ 始まりの話 ◆ 夢主視点 ◆
あの時遠くですれ違った気配を
師匠やカカシに言おうか…悩んだ
気のせいかもしれないし…
なんて考えていて
結局言えなくて
カカシも私に何か言いたそうにしてたけど
今、その話がリンの事なら…って考えたら
私、そんな話を聞く余裕が…無かったから
カカシが話そうとする時
逃げた
逃げてた
カカシも私が聞きたくない事に気付いて
言うのをやめた
その話をしなければ
私はそばから離れないから
カカシが退院して師匠に『着いておいで』って言われて
カカシと共に師匠の後をついて行った
そこは鍛冶屋で…大きい男の人がいて
男の人は私とカカシを見るなり変な顔をして
頭に大きな手を置かれて
「独りで泣かなくていい…泣きたいなら泣け。勝手に出てくる涙まで我慢しなくていい。子供が涙を我慢するもんじゃない」って言って
私はその時、初めて泣いた
なんでそんな事言われたのか分からなかったけど
男の人にそう言われて
あの雨の日にも感じた感覚になって
それが《泣く》事なんだって
涙なんだって思った
師匠は何も言わなかった
カカシも小さく泣き出して
泣いてる私を男の人が優しく抱き上げて
カカシの手を引いて共に家に入って
落ち着くまで背中をさすってくれた
泣き止んで
師匠に『今日からここが君達の家だよ』って言われた
男の人の名前はクロガネ
その日から私はジジィと共に暮らす事になった
カカシと3人で
これが…アヤの始まり
他の話はまた今度するよ
約束ね
…それまで…私は…ちゃんと覚えとくから
カカシや皆の事…ちゃんと覚えとくから
待っててね