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溺愛巫女は、喰べられたい

第4章 はじまり


狼。
と。
ユーリ。



わかっちゃいたけどやたらと女の子にモテる。



「なんかなんかー、ミステリアスな雰囲気?かっこよくない?」


ミステリアス…………。

よくわかんないけど確かにわけわかんない感じはある。


「ユーリくんの儚げな感じとかー。もぉおマジかっこよー」


儚げ…………。
うん。
確かに色白かったなー。



なんて。
クラスの女子の会話を頬杖付きながらなんとなくで聞いていれば。



「!!」



目の前に、噂の主。



「???」



ピタリと。
女子たちの会話がやんだ。



「な、何…………?」


「んや」


…………。



いきなり目の前現れて。
『んや』?
女子たちの怖い視線をこんなにもあたしひとりに突き刺しといて。
『んや』ですか!?



しかもしゃがみ込みながらのこの見上げた上目遣い。
なんなのだから。




「おまえ、変な匂いする」


「は?」



は?



匂い。
え。
くさいってこと?
何それ。
今?
クラスのみんなが注目してる今、言う?
くすくすバカにしたようなクラスの女子の笑い声に耐えきれなくて。
勢いよく立ち上がって教室を出た。
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