第3章 どっちがいい？

「無理」


そんなの。
あんな顔、されて。
あんな声聞かされて。
好きな女目の前にいて、身体繋げてんのに。
動かないなんて選択肢、どっから出てくんだよ。

なぁ？
ユーリ。



「っ、や、っぁああ！！やぁああああ！！駄目！だめだめだめぇ！！狼！！イ…………っ、く………っ」
「いいよ、尊」
「———————み、みぃ…………っ！！ん、っぁあ！！」


ぐん、て。
それた真っ白くて細い身体の線。
綺麗に弧を描いて。
なかからぎゅうぎゅうと、締め付けられる。
瞬間。
ガタン、と。
ピンクのおもちゃが床へと落ちた。



「あーあ」


一瞬力抜けた？
意識飛んだ？
まぁ、この際どっちでもいーけど。


「落としちゃったね、尊」
「ろ、狼…………。あたし、今………」
「うん、でも俺まだだし」

ぐ、て。
両膝裏へと手を掛けて。

「待って狼。今それ、やば…………」
「言ったろ？待てない」


そのまま尊の体ごと、下から思い切り貫いた。



「———————ひゅ…………っ」


尊の喉が、小さく鳴って。


「き、っ、ああああ…………っ！！そ、れやだぁ！ふか、い………っ、狼！！ま、って、やだやだ、やめぇ！！」

はは。
まじ、きっつ。
何これ。
またイった？
つーか、ずっとイってんのか？
すっげ、吸い付く。
何これやば。


「…………はー、まじ、気持ち…………」

「狼…………っ」


下からガンガンに突いていけば。
尊の表情が、和らいで。
なかが、少しだけ緩む。

「尊」

その隙をついて。
わざと耳元で囁いた。


「気持ちいい？尊」
「………ち、いい………っ、狼、もっとぉ」


あーまじ。
やば。
こいつの舌足らずな甘え声。
けっこう『クる』。


「ごめん尊、一回射精す…………っ」

「ん…………」


直前で尊の体ごと引き抜いて。
そのまま。
尊の腹の上へと欲を全部、吐き出した。