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溺愛巫女は、喰べられたい

第1章 人、ならざるもの



「待って狼、やりすぎ。尊怯えてるよ」
「ユーリ!!大丈夫、あたし…………」
「全然大丈夫じゃないよね、それ。痛いでしょ?」



ユーリが狼の首根っこを掴んで引き剥がせば。
目の色を変えてユーリに、襲いかかる狼。

「狼!!」


ユーリへとその爪を突き刺す前に。
狼の顔を両手で引き寄せキスをした。



「大丈夫よ、狼。大丈夫だから…………」



ふーっ。
ふーっ。


って、荒く苦しそうに呼吸する狼の首に両手を回して、頭をゆっくりと撫でてやれば。
少しずつ、少しずつ。
狼の呼吸が落ち着いて来て。


「…………ごめん、俺」


やっと、狼と視線が重なったことに、安堵した。



「まるで狂犬だね」
「ユーリ!!狼だって辛いのよ、そーゆーこと言わない!!」
「はーい」

くぅん、と、ほんと子犬みたいに耳を垂らして。
狼がなく。
かわいいなぁ、ほんと。
思わずぎゅーって抱きついた。


「…………尊、まだ全然収まってないから、それ勘弁して。また理性飛ぶ」
「あ、ごめ…………っ」


慌てて離れようとした、ところで。
今度はユーリの唇があたしのそれを奪う。


「!?」


しかもこれ。
さっき狼に噛まれたところ。
血、のんでる!?


「っ」



じゅる。
ごくん  ごくん  ごくん


やばい。
やっぱりのんでる。


「は…………っ」


唇が一瞬離されて、酸素を取り込もうとおっきく口をあければまた、舌が吸われて。
血が、飲まれる。



「ま、ってユーリ!!これ、くるし…………っ、いつもみた、に首からのんで………っ」


首から血、のまれるのだって身体中熱くなるのに。
口付けされながらのまれたらのぼせる。
息、出来ない………っ。


なのに。


「ふぅ!?」


後ろから抱きついて、熱い狼の舌がうなじを這った。




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