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溺愛巫女は、喰べられたい

第3章 どっちがいい?



「俺らじゃ満足しない?」


「ちが…………っ」


冗談めかして、俯く尊を覗きこめば。
顔を真っ赤に涙を必死に耐えてる尊の表情が映り込んで。
あ。
やば…………。
スイッチ入った、今。



「違う、から」
「んじゃ何これ、つーか何?買ったの?」

ベッドへと腰掛けて、じゃらじゃらと数あるおもちゃを手に取る。
なんとなくスイッチ入れて見れば。
エグい動きを繰り返すそのまあまあなおっきさのものに一瞬たじろぎながら。
とりあえず放り投げてみる。

「…………つうはん、で」
「あっそ」
「狼、なんか機嫌悪い?」
「まぁそりゃな。俺らには触んなとか嫌だ嫌だ散々拒否っといて、結局これかよとか思ったらまぁそこそこ?ムカつくじゃん?」
「…………だから、違うってば」
「ならその違うっつーの、聞かせろよ。現行犯だぞおまえ今」

さっきから手に持って離さねーの、なんだよそのピンクのやつ。

「…………だから、これは、自分で…………」
「あ?」

イライラしすぎて口調がつい粗くなる。

「だから、これは自分で、その、しようかな、って…………」
「だからなんで。したいなら俺ら呼べばいいじゃん」

なんだよ自分でって。
そんなに俺らじゃだめなんかよ。

「だから!!それじゃ毎回………っ、ふたりに負担、かかる、から!!アドレナリン、出せばいい、だけなら別に、ふたりにいつも負担、かけなくてもいいかな、って………。だから………。だから。別にふたりがどうとかじゃ、なく、て…………。そんな怒ることないじゃん狼のばかぁ!!」

ポツリポツリと呟くように話しながら、後半完全逆ギレ。
しかも涙。
あーやば。
スイッチ押すよなぁほんと尊。


「…………なんだよその理由」
「え?」

ボソッと引く呟いて。
力任せに尊の腰を引き寄せた。

「狼っ!?」
「なぁおまえ気付いてる?下服着てないの」
「え、あ!!」


部屋入った途端Tシャツに下着とか。
まぁとりあえずドア閉めとくか、ってなるだろこれ。

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