• テキストサイズ

溺愛巫女は、喰べられたい

第3章 どっちがいい?




《side 狼》



「や………っ、ぁ、やだ、ぐりぐりすんの、やだぁ」
「ほら逃げんな。自分でやるっつったんだろ」
「てつだ、………なん、て…っ、頼んで!!な………っ」
「まだ最弱だけど?尊。こんなんでおまえひとりでできんの?」
「やる、からぁ…………っ、や、っぁあ!!狼!!やだやだやだ、ぐりぐりすんのだめぇ!!」



膝の上に乗っかって。
泣きながら必死に俺にしがみつく尊に、自然と口角が上がる。
よしよし、て。
髪を撫でながら。
逃げらんねーように背中を手を回しつつ。
リモコンのスイッチを、回した。


「——————っ、ぁああ!!」








ことの起こりは30分前。
前回の右目の暴走のせいで学校を休んでいた尊の見舞い来たところ。
たまたまその現場に遭遇した。

「…………何してんの、おまえ」


「…………だから。ノックしてよって言ってるのにー」


所謂大人のおもちゃ、なピンクのブツを手に持ちながら、半泣き状態で尊が、振り返る。

「————〜〜〜っ、狼のばかぁ!!嫌い!帰れ!!」


ベッドから飛び降りて俺を追い返そうとする尊にとりあえず殴られたふりしつつ、足を後退。

「なんだ、元気じゃん」

だけど。
部屋を出る一歩前で足を止めて、殴りかかる尊の両手を捕まえた。

「ずっとガッコ来ないから見舞い来てやったのにさ、とりあえず何してんのおまえ」
「っ」

赤なって視線を反らす尊に気付かれないように、後ろ手にそっとドアを閉める。

「何これ、こーゆーの好き?」

っつーか俺らには頑なに触んなとか言っといて結局こんなもん使うとか。
あとでユーリと仕置き決定だよな、これ。
/ 49ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp