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溺愛巫女は、喰べられたい

第2章 悪魔の右目



ビクン!!
て尊が跳ねた反動で唇が離れて。
お構いなしにそのまま下から突き上げれば。


「…………っぁあ!!や、っぁ!」


一瞬だけ漏れた尊の嬌声。
それだけで。
下半身にダイレクトに血が集まる。


「ほら、我慢なんて無理だろ?」


勝ち誇ったように笑う狼を無理して、息を吐き出す。

「あ………っつ」


なかが火傷しそうなくらい熱くて。
着ていたシャツを脱ぎ落とせば。

「っ」

キツく、締まるなか。
思わず尊を見上げると、狼に口を塞がれたままに首を振る。

「ほんと、正直だよね」

そんなとこも全部好き。
裸なんてもう、見慣れてるはずなのに。
いつまでも純粋にある羞恥心にさえ、愛しさを感じずにはいられない。



どくん  どくん  どくん



疼く。
痛み。
目?
下半身?
どっちでもいい。
今更。




ドサ、って。
狼の腕の中へと尊を押し倒して。
さらに激しく腰を打ち付けた。











はじまりは些細な血の、匂い。
開けっぱなしの窓から香って来たのは、間違うはずのない、尊の血の匂いで。
授業中なのもお構いなしに教室を飛び出した。



「尊!?尊大丈夫?」


向かった先は体育準備室。
狼とふたり、駆け足でそこにたどり着けば。
転んだ時にでも擦り剥いたのか、膝から血を流して疼くまる尊がそこにいた。
「血でてる」
駆け寄って傷を治そうと顔を近付ける狼から足を引いて、尊が俺たちから、距離を取る。


「だめ………っ、近寄らないで」


顔を上げた尊は、右目だけを掌で覆いながら、さらに俺たちから離れていった。



右目。


「…………痛むの?」

「違う………っ、痛くない」
「なら見せろよ」
「やだ」
「そんなくらいところいないでこっちおいで、尊」
「………授業、戻っていいから。あたしも今、戻る」
「なら早く来いよ。なんともないなら、来れるだろ?」


狼の言葉に。
沈黙。
それは肯定だよね?
尊。
明るみに来れないのが、何よりの証拠でしょ。
右目が疼くんだ。
侵食されてる。
闇を好む悪魔同様、今尊の右目は日光を嫌ってる。
日光の下、激痛が尊を襲った。
だから慌てて暗闇に避難、して。
足を擦り剥いたのか。






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