第4章 ポーカーフェイス
『黒羽くんの事快斗くんって呼んでもいいかな…?』
黒羽「何で俺の名前…」
『そ、それは撮影の時青子ちゃんが黒羽くんの事快斗って呼んでたし、この間も快斗って呼んでたのを覚えてたから!だめかな…?』
黒羽「俺も唯吹さんって名前で呼んでるしいいよ
俺の事も名前で呼んでくれ!」
『よかったぁ!』
黒羽「そんなに嬉しくしちゃってー
まさか俺と仲良くなりたかった?」
『快斗くんってマジシャンだから私の心も読めちゃうの?』
彼が私が思っていたのを当ててしまうから少しだけ彼をからかってみると冗談のつもりだったのか当たるなんて思ってもいなかった様子で照れた表情をする
『マジシャンは如何なる時でもポーカーフェイスを忘れちゃダメなんだよ?』
昔好きだったマジシャンが言っていた事を快斗くんに伝えると目を見開いて驚いていたが、すぐに普通の目に戻る
黒羽「唯吹さんの言う通りだな!よくそんな事知ってんねぇ」
『昔好きだったマジシャンの人が言ってたの。それで知ってるだけよ』
ふ〜ん、と彼はストローを咥える
快斗くんのテーブルの上を見ると後は飲み物だけだった
私のはサイドメニューのポテトも残っていて少し焦りながらポテトを食べ始める
黒羽「そんな急いで食わなくても俺は待ってるから大丈夫」
そう言いながら彼は私の頭を撫でる
また彼は不意にこんな事をしてくる。こんな事を仲良くなりたいと思っている人にされてしまうと女性は、単純だから好意を寄せてしまうに決まっている。仕事上で口説いてくる芸能人の人達はたくさんいるが、仕事上での付き合いでしか考えられない為何とも思わない。私にとって彼は特別な存在になりかけているのだろうか?今の私にはこれが何なのかは知る由もない。
ポテトを食べ終わり、食べ終わったので店から出て彼とさよならをしなくてはならない。
『食べ終わったし帰ろっか』
黒羽「そうだなぁ」
私たちは席から立ち上がり店を出る
『それじゃまたね、快斗くん』
黒羽「またな、唯吹さん」
それぞれの帰り道を歩いていく
別れるのが名残惜しく少し快斗くんの方を振り返ると彼も振り返っていた。手を振りると振り返してくれる。それが嬉しくて気分が上がりながら自宅へ帰る
快斗くんから貰ったポピーを瓶にいれる
また快斗くんに会えるかな…?会えたら嬉しいなぁ