第4章 ポーカーフェイス
仕事場へ来てマネージャーに渡された写真集の表紙を眺めていた。
こんな短期間に写真集ができるなんてスタッフさん達頑張ったんだろうな、尊敬する。
出来上がった写真集を1枚1枚ペラペラと捲って眺めていると
私が男子高校生の膝の上に跨って抱きしめ合っている写真があり、その1ページに目が釘つげになる。
待って、この写真使われたの?
まさか使うなんて…こんな写真黒羽くんに見せるってなったら見せれる訳ない!
頭を抱え悩んでいるとマネージャーが出来上がった写真集を1冊私の前に差し出して話しかけてくる
マネ「この1冊は唯吹が彼氏役になってくれた男子生徒にあげてね〜」
『こ、こんなの渡せないよ!恥ずかしい!』
マネ「彼氏役になってくれたんだしそのお礼だよ〜。いい写真だよ?サインも書いてあげてね」
『マネージャーが渡してよ!
私無理、死んじゃう』
マネ「えぇ??唯吹から渡したら喜ぶと思うけどなぁ
唯吹の写真集を本人から貰って喜ばないやつなんていないよ」
『面白がってるでしょ。
まさか載る何て思ってもなかったし…』
マネ「こんないい写真載るに決まってるじゃん!!ちなみに協力してくれた紺野先生と校長先生には俺が渡しといたから、後は彼氏役をしてくれたその彼に唯吹が渡せばいいだけだからさ」
『2人に渡したならついでに黒羽くんにも渡してよ』
マネ「彼の名前知ってるんだ?そんな仲良くなったのー?」
『名前は知ってるけど名前で呼んでませんよ、名字です…後別に仲良くはなれてませんよ』
マネ「へぇ、名前は知ってるんだ〜
なれてないって事はなりたいんだぁ」
青子ちゃんが黒羽くんの事を快斗って言ってるのを覚えてただけだし。何でこの人はニヤニヤした顔で私を見てくるのかわからなかった
『何ですか、ニヤニヤして』
マネ「いやー、唯吹が彼氏役してくれた子の名前覚えてるんだなぁと思って。いつもなら人の名前興味無いと忘れるのに」
『そんな事ないと思いますけどね』
ふーんとニヤニヤした顔で言ってくる
マネ「僕も何気忙しいからさ、唯吹が渡してくれたら助かるんだけど??」
『わかりました。しつこそうだし渡してきます』
ニヤニヤ顔が嫌すぎて渡すと承諾してスタジオへと向かい、いつも通りに撮影を終わらせていった