第3章 創られた青春
『大事にするね』
嬉しくて微笑むと黒羽くんは頬をかきながら少し照れた様子だった
『私と一緒に教室戻ったら青子ちゃん達に変に思われちゃうから先に戻りな?』
黒羽「そうだな、トイレって言ってあるし…それじゃ教室でな、お姉さん」
背中を向けて屋上から出ていく彼に声をかけてしまった
黒羽「どうした?」
『お姉さんじゃなくて"唯吹"ね』
黒羽「ははっ!そうだな、唯吹さん」
手を振りながら屋上から出ていく
何で私あんな事口走ったんだろ。今日の私、変…
2分くらい経ったくらいに教室へ戻った
戻るとマネージャー達も休憩から帰ってきたのか教室の扉の前で鉢合わせし、一緒に中に入る
入ってから早速撮影が始まった。
多少紺野先生、生徒達の絡みも撮影して授業の終わりのチャイムと同時に無事撮影が終了した
カメラマン「順調に終わってよかったよー
じゃ、帰りましょっか!」
マネージャー「そうですねぇ。
紺野先生に生徒の皆さん撮影に協力してくれてありがとう御座いました。」
紺野「いえいえ、こちらこそ!!貴重な体験をさせて頂きありがとうございました!!」
マネージャーは黒羽くんの所に行く
マネ「いや〜、君も唯吹の彼氏役になってくれてありがとうねぇ!いい撮影が出来たよ」
黒羽「お役に立てたなら何よりですよ!」
満足した顔をしてマネージャー達は教室を出て行った
私も皆にお礼を言い教室を出て行き、事務所に戻り用事を済ませてからマネージャーに自宅まで送ってもらった
最初は制服何て嫌だったけど撮影楽しかったしいいかぁ。
また学生気分に戻れたし、いい事もあったしね。
黒羽くんから貰った花"イベリス"を自宅の花瓶に入れて眺めていた
これが私が体験した"創られた青春"の話
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イベリス - 花言葉[心をひきつける]
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