第6章 好きな人。
パタン
後ろ手にドアを閉めリビングへと足を向けるとそこには、、
「ウケる〜パンダ、抱き枕にされてんじゃん。」
悠仁にいたっては口から涎を垂らし、パンダの毛を濡らしている。
「ーーー先生、さんは大丈夫ですか?」
呑気に眠る3人とは裏腹に、神妙な面持ちの恵がソファからサッと立ち上がった。
「もう大丈夫、今は落ち着いてるよ。」
良かったと肩を撫で下ろす恵の隣にドサッと腰を下ろし、はぁ〜〜と息を吐く。
「・・・・さん、もしかしてPTSDってやつですか?」
さすが恵、鋭いね。
「そ。一年前、ある事件に巻き込まれては心にも身体にも深い傷を負った。
過呼吸を起こすのは僕も最近知ったんだけどね。」
「・・・・はぁ、、。俺、サイテーじゃないっすか。」
恵は項垂れた様子で顔を手で覆った。
まぁ、、知らなかったとは言え落ち込むよね。
真面目な性格だから尚更だ。
「が、恵を傷つけたんじゃないかって気にしてたよ。」
「・・・いや、傷つけたのは俺でしょう?」
「だーかーらー、恵が落ち込んでたらが余計に気にするってコト。
そんな辛気臭い顔見せるなって言ってんの。」
やれやれと肩を竦めて見せると、少し距離を開け恵がソファへ腰を下ろした。
「・・・先生は随分さんの事、気に掛けてますよね、高専に連れ戻そうとしてた時から。
それは1人の生徒としてですか?それとも女性として、ですか?」