第5章 ただいま。
恵side
ーーー何かおかしい…。
呪霊をあっさりと祓い終え、ふと考える。
調査資料にはたしか2級、とあったけど、アレは恐らく3級か4級程度。
ーーー調査資料の間違いか?
ふと窓の外に視線を向け、目を見開いた。
「・・・帳が、、上ってない…?」
嫌な予感が脳裏をよぎると同時、玉犬がクンクンと鼻を鳴らし"何か"を感じ取った。
「ーーーー行くぞっ‼︎」
玉犬を先導させ、猛スピードで校舎内を走り抜ける。
さんはあの時点で何かに感づいていた。
ーーー呪霊の気配は無かったのに。
「ーーークソッ!」
苛立ちと共に、心臓が嫌な音を立てる。
あの人、そもそもあんな弱いのに呪霊と対峙して大丈夫なのか⁈
体術の稽古でボロボロになっていた姿が頭をよぎる。
・・いや、違う。
あれだけ1人にするな。と言われ、たった数分とはいえあの人から離れたのは俺だ。
ーーーー何かあれば俺の責任だ。