第5章 ただいま。
数日後
私と恵君に任務が言い渡された。
と言っても恵君1人で事足りる任務に私が付いていく、といった所だけど…。
現場へと向かう車中。
「・・・・。」
『・・・・。』
かれこれ30分、無言。
隣に座る恵君はタブレットで調査資料を熱心に確認している。
私は居た堪れず、窓の外の景色に目を向けた。
ーーーー何か気まずい…。
恵君はタブレット見てるし、話しかけるのも悪い気がしてずっと黙ってたけど、、、
何だか壁を作られているような気がする…。
同じ事を思ったのか、バックミラー越しに後ろを気にかける伊地知さんと目が合った。
思わず苦笑いを浮かべると、伊地知さんが、
「・・・間もなく現場に着きますので。」
と声を掛けてくれた。
『はい。』 「・・うす。」
ーーーそして車内に再び沈黙が流れる。