第5章 ただいま。
ーーー速っ、、‼︎
野薔薇ちゃんは一瞬にして私の懐へと滑り込むと、身を低くしたままガシッと胸ぐらを掴んだ。
そして次の瞬間、
私は地面に背中を叩きつけられていた。
「・・・え?」
『ーーーーーイッターー、、』
仰向けのまま、痛みに顔を歪めていると、
拍子抜けしたような表情の野薔薇ちゃんが顔を覗いてきた。
「ちょ、ちゃん?今わざと投げられた⁇」
『そんな事しないよー、、イタタタ、、』
背中を擦りながらむくっと上半身を起こすと、ゲラゲラと笑いながら五条先生が私達の元へ歩いて来た。
「ウケる〜〜!相変わらずは貧弱だね。」
「はぁ〜⁈先生が含み持たせる言い方するから、ちゃんめっちゃ近接強いのかと思ったじゃん‼︎
うわぁマジごめん!思いっきし地面に叩きつけちゃった。」
野薔薇ちゃんが背中についた土をパシパシと払ってくれる。
『いやいや、謝らないで?トレーニングなんだから。
弱い私が悪い。それにしても野薔薇ちゃん見掛けによらずパワーあるんだね!』
「そ?だいぶパンダ先輩に鍛えられたから、そのお陰かも。
それにしてもちゃんは軽すぎっ!
もっと食べなきゃダメよっ‼︎」
『う、うん…そうだね…』
「野薔薇の言う通りだねー。
どうする?一瞬で終わっちゃったけど、泣きのもう一回戦やる?」
『お願いしますっ‼︎』
ーーーそして。
・・・泣きの11回目にして野薔薇ちゃんがついに根を上げた。