第5章 ただいま。
「虎杖、うるせーー、、、あ?」
隣の部屋からは、不機嫌そうに眉を顰めた黒髪の男の子が顔を覗かせ、ふと目が合った。
とりあえずペコッと頭を下げると、彼も頭を僅かに下げた。
話しがややこしくなる前に悠仁君に冗談である事を伝えなきゃ、、
そう思い、重い口を開く。
『あっ、あの〜…実はね?』
「伏黒ぉーー!グッドタイミングーー‼︎
ねぇっ、高専ってパパになっても通えんの⁈
つーか術師で子供育ててけんのかなーー?
やべーー俺が父親とかマジ想像つかないんだケド⁉︎」
悠仁君ーーーーっ‼︎⁉︎
私とあなたは初対面でしょーーー‼︎‼︎⁉︎
そもそも心当たりなんてないでしょーーー⁈⁈
心の中で叫ぶ。
てゆうか、、、悠仁君、人が良過ぎない⁈
普通なら見ず知らずの女が訪ねて来た時点で上手くあしらえば良い
ものを、悠仁君は冷たくあしらうどころか、名前も知らない女とそのお腹にいる子の父親になろうとするなんて、、、
人が良いというか、疑う事を知らないというか、、、、
そんな悠仁君を隣の部屋から出てきた伏黒君は、冷めた目で見下ろしながら、
「・・・お前、マジか、、、。」
ドン引きしていた。
さすがにもう限界だと思い、ネタバラシしようと私は勢いよく頭を下げた。
『ごっ、、ごめんなさいっ‼︎‼︎』
数秒間、深々と頭を下げてから顔をあげると、悠仁君と伏黒君は訳が分からずポカンと口を開けていた。
悠仁君の対応があまりに優しくて、真っ直ぐで、、、
申し訳なさと後ろめたさからうっすらと涙が滲んだ目で、悠仁君を見上げた。
その時、
「あぁーーっ‼︎‼︎あんたらこんなトコで女泣かせて何やってんのーーー⁈⁈」
『ーーー⁇』
振り向くとそこには紙袋を両手に抱えた女の子と、、、