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on Rouge

第2章 よろしくね。


裸足だった私は、車の中で靴のサイズを聞かれて、少し中で待っていてくださいと、
急いで靴を買ってきてくれた。
ドレスだからと引き摺らないように、ヒールにしてくれたのはありがたい。
恥ずかしかっただろうなと申し訳なく思い、
すみません。というと、優しく微笑みながら
気にしないでいいですよ。と言ってくれた。
ヒールを履いて車から降りると、
どうやらここはドン○ホーテだったらしい。
なるほど。だから、こんな時間でも買えたんだ。と納得した。

「足、痛くないですか?」

『はい。とても歩きやすいし、とても可愛い靴で気に入りました!』

嬉しくてニコニコと笑いながら彼を見ると、
どことなく顔が赤い。

『体調悪いですか?』

「いえ。はじめて笑顔が見れたもので..その...綺麗で...」

話の途中で店内に入ってしまったので、お店のBGMで
最後が聞き取れなかった。

『えっと?』

「な、何でもありません!」

これ以上、聞くのも鬱陶しいかなと
買い物に意識を向ける。

買い物をする時間より
値段を見ずにカゴに何でも入れようとする彼を阻止する時間の方が長かったのは
ここだけの話だ。

こうして、無事買い物を終えて
彼の自宅に着いたのが
22時過ぎ。

『お邪魔します。』

「これから、ここは貴女の家でもあります。
ただいま。が正解ですよ。」

『た、ただいま。』


この部屋を使ってください。と
部屋に案内をしてもらう。荷物等を軽く整理し、お布団の準備をした後、
途中寄って買ったコンビニ弁当を食べた。
ダイニングテーブルに向かい合って座って食後のお茶を飲んでいると
肝心な事に気がついた。

『ごめんなさい。今更ながら自己紹介がまだでした!
己龍院 みやびっていいます。29歳です。』

「そういえばそうでしたね。みやびさんとお呼びしても?」

『もちろんです!』

「小生のことは、幻太郎と気軽にお呼びください。
それから、一緒に過ごすのですから、敬語でないほうがいいですねぇ。」

家主がそういうのなら従った方がいいだろうと、
わかった。と頷いた。

お疲れでしょうから、ゆっくり休んでくださいと言われ、
お言葉に甘えてお風呂に入り、
その日はやはり疲れていたのか、
お布団に入った途端、意識を手放すように眠りについた。
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