第10章 終章 わたしの心の青海原
常に高まっている状態からまた大きな快楽が体を突き抜ける。
……ようやく口を離した彼に、ふ、と下半身をシーツの上に下ろされて、唇を拭っているタクマさんがぼやけた視界に入ってきて滲んでく。
「今のは、仕返し」
「……え……?」
窮屈そうにベルトを外しタクマさんが穿いていたズボンを脱いだと同時に、真っ直ぐな彼の男性の逞しさの象徴が跳ね返ってお腹に沿って直立する。
……なぜだか、それと惹き合うように私の奥がズキンと痺れるような感じがした。
「中途半端に終わって、翌日ギンギンに朝勃ちしてるとこにお預け食らったから少しは。 もはや八つ当たりだなこれも」
「そ、んな……」
話しながら避妊具をつけ、つい、非難がましい表情をしてしまった私にタクマさんが口の端を上げる、けれど……その眼差しには彼の本能的な欲望がたたえられている。
「でも、少しはガマンした方が気持ちいいだろ? オマエ素直過ぎて堪え性ねえから」
「タクマさんって、い、意地悪なの?」
話している割にはやや性急に、私の足の間に腰を差し入れようとする彼に焦りを感じ、なんでもいいから会話を続けようとした。
私の片方の腿の上に手のひらが添えられ、膝を折るように上へ、裏へと滑らせていく。
「さあ……どうかな。 それは置いといても、オマエの体は美味い。 すんなりハマってやたらに抱き心地がいい。 肩も腰もどこもギスギスしたとこがなくって、アソコも乳首みたいに真っ赤んなってすぐ濡れる。 無茶苦茶唆るし気付いたら、男としても困りモン」
ヌルヌル蜜口に先端を擦り付けて、途中の僅かな凹みを見付けると、またそこに愛液を塗り付ける。
太いそれが、そのあとぐっと私をこじ開けてきた肉の先に思わず大きく喉を晒した。
どこか昂って上擦った彼の声が聞こえた。
「最初の男がオレで良かったとか……そんな馬鹿みてえなことを思うとかな」
「ん、ンん…っ」