第10章 終章 わたしの心の青海原
「や、そこっ……ダメ」
シャワーを浴びたといっても綺麗ではないし恥ずかしい、場所。
戸惑って私の膝が揺れる間、そこを繰り返し繰り返し、ぺったり舌を這わせては往復を繰り返す。
動きが滑らかになってきたと思ったら、溝に深く潜らせてすくい上げているのは私の愛液だろうか。
ふっと感触が離れたのでその部分に冷たい空気を一瞬感じた。
そう思ったら、すぐに尖らせた舌先をズルル…と差し入れられて蜜口に圧力を感じた。
内部の壁を縦横無尽に舌で撫でられ、反射的に脚を閉じようとするも私のそんな抵抗が叶うわけはなく。
いつもキスをしている彼の口がこんなことに使われていることに後ろめたさに似た羞恥を感じた。
でも、それでも。
こんな時でも私は濡れる。
だって今日のタクマさんは、すごくいやらしい。
粘度の違う音が耳に届きそれを塞ぎたくなった。
……じゅっ、クチュ、クチュッ…ジュルル…。
伸ばされた舌が蠢いて、滲んだ愛液を舐め取って、私の中で異なる体液が混ざり合う。
「……カラダはダメって言ってねえな。 分かりやすく中でザラザラ膨れてるココとか」
ずぷ、と膣口を潜った指がクイクイそこを押して来て、自分の口に当てた指の間からくぐもった声が漏れ出た。
「んぅ…ン……あっ」
そうやって卑猥に指を動かしながら愛液で湿った舌は花芯に触れる。
くんと押し潰して舌の広い面で舐めては周囲をくすぐり。
舌先で根元を押し小さな性感帯を注意深くなぶり始める。
いつもみたいに私を追い詰めるための動きだと思った。
もう何度かそうやって私の体にそうしてきた彼にとって、それは容易いことだと思う。
「……おい、まだイくな」
それなのに急にそんなことを言われたので、離された舌とともに私を襲いかけた急激な高まりがふっと遠のいた。