• テキストサイズ

ささめごと -ながい夢- 【NARUTO】

第88章 番外編 ご報告






突然、がらりと変わった空気に、呆気に取られているシカマルは、ちらりと隣にいるキリを見る。

握った手はそのままで、キリの手から熱が伝わってきた。


相変わらずキリは困ったような表情だが、今は少し照れが追加されているらしい。


目の前にいるシカクは、堪え切れない笑い声を漏らし、肩を揺らしていて。ヨシノはそんなシカクに呆れたように笑っている。

キリの表情からも、重々しいものは少しも感じられない。


ようやく、悟った。



シカ「……あー、なんだ。キリ」

キリ「はい」


シカマルの手の熱も上がり、キリへと伝わっていく。


シカ「俺はいつから間違えてんだ?」


困り果てたキリからは、珍しく返事がなかった。

最初からだ。なんて、先ほどのシカマルの真剣な様子を思えば、キリは言えなかったのだろう。


シカク「あー……くっくっ、シカマル」


散々笑って、シカクは目尻に滲んだ涙を指で拭った。

そして、にっと口角を上げる。



シカク「今日お前が帰ってくる前に、キリから先に聞いてたんだよ」

キリ「あの……ごめんなさい」


ひとつ納得がいく。

キリが途中でシカマルの服を引っ張ったのは、シカクがからかっている事に気付いていたからだったのだ。

それを教えようとしていたのに、シカマルは不安がっていると勘違いしてしまった。


シカ「はぁ……」

これでは、あまりにカッコがつかない。

悔しいので、どさくさに紛れてキリの手は離さないことにする。

/ 1018ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp