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ささめごと -ながい夢- 【NARUTO】

第88章 番外編 ご報告







謎を呼ぶまま、キリはもう一度シカマルを見ると、それはもうバッチリと視線が結び付く。

そしてすぐにシカマルが、すっと息を吸い込んだ。


キリ(待っ……)

なにかをしようとしてる予備動作である事が分かった。しかし、キリはその内容をまるで共有出来ていない。

シカマルを止めようとするが、今一歩間に合わなかったようだ。

シカマルの第一声が、出てしまった。


シカ「親父、母ちゃん」


シカマルの改まった声音に、シカクとヨシノも箸を置いた。

シカク「なんだ」



キリもシカク達も、一体なんだなんだと探り探りな空気の中、その答えは落とされた。

シカ「キリと付き合う事になった」



それぞれが、少しの時間を要したあと、その言葉の意味を理解していく。


シカク「あー……」

キリ「あっ……」

ヨシノ「あぁ」



そんな三人の反応に、シカマルは少し怪訝な表情を見せた。

シカ「は?」


この場に置いてけぼりになったのは、今度はシカマルの方で。

いち早く状況を察したシカクは、ゆっくりと大きなため息をついた。


シカク「……シカマル、お前それがどういうことなのかわかってんのか?」


その重量感のある声は、まるで二人の門出を祝うものではない。


シカ「っ!」

シカク「キリの問題はひとまず……解決した。ただ、それだけじゃないことは、お前もわかってるな?」


それはキリが里で危うい立ち位置であることや、キリに残る傷跡を指しているのだと、シカマルも理解する。

キリの目前での発言に、シカマルは一瞬、気遣うような視線をキリへ向けた。


シカクの鋭く細めた目が、すぐに前に向き直ったシカマルを捕らえる。

父というよりも、上忍として、忍として、シカマルの遥か先にいる人物の目だ。

息子ではなく一人の男として、シカマルに問い掛けているようだった。


シカ「考えた上だ」

少しも気圧される事なく、答えは淀みなく真っ直ぐに告げられた。

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