第88章 番外編 ご報告

思いが遂げて、シカマルとの交際が始まり、幸せな気持ちもある中で、どうしても自身の罪に拭えない思いがある。

迷惑をかけていることも、自分の過去も申し訳ない。けれど、もう離すつもりもない。


キリ(簡単に、決めたことじゃない）


やっぱり別れます。なんて、そんな風に言えないほど、大切に想っていた。

キリ(彼もきっと、一緒にそれを背負ってくれてる）

だからシカマルには、自分でいいのかなんて問いかけはしない。


だが当の本人達ならいざ知らず、シカクとヨシノはどうだ。これまでもキリに良くしていたから、散々言われていたのに。

息子がキリと交際を始めたともなれば、いっそう風当たりは強くなるだろう。


キリ(謝るのも、違う気がする）

シカク達に迷惑をかけるのをわかっていても、離れないのだから、ごめんなさいの言葉も空々しい。


動揺混じりの咳払いをしたシカクが、探るように話し始める。


シカク「あ、あーキリ。それは、あれか？」

キリ「はい」


シカク「お前がこうやってわざわざ言ってくるってことは、こう仲間として上手くやってるって意味じゃなく」

キリ「はい」


シカク「シカマルと、その、あれだな？」

キリ「はい、そうです」


シカクはハッキリとした言い方はしなかったが、おそらく、そのあれで間違いないだろう。

互いの認識は合っているはずだ。



ヨシノ「本当に友人としてじゃなくて、私や父ちゃんみたいな関係になったって事だね？」

キリ「っ……」