第88章 番外編 ご報告
第88話 ご報告
キリとシカマル ーその後のお話ー
奈良シカマル。
キリが彼と出会って二年。
本当に色んな事があった。
その中でどんな事があっても、シカマルはそばに居た。もう人生を諦めていたキリの手を、離す事は決してなかった。
シカマル、そしてシカクや色んな人の支えがあって、もう一度人生を歩み始めたキリとシカマルが結ばれたのが、数日前。
お互いに想いを告げて、ついにキリとシカマルは恋人同士になった。
しかし余韻も実感も得る前に、すぐに任務要請があり、里を出たキリは本日無事にその任務を終えて、木ノ葉隠れの里に帰還したばかりだった。
キリ「ーー以上で、今回の任務報告は終わりです」
綱手「ああ、ご苦労。急に遣いに出して悪かったね」
キリ「いえ、お力になれたならそれで」
頭を下げれば「優秀で助かる」と、綱手から労いの言葉をもらい、キリは火影室を退室する。
キリ「ふぅ……」
他里から来たキリを受け入れてくれた木ノ葉隠れの里。多大なる恩を感じている。
そのために働く事はまるで嫌ではないし、むしろそうありたいと思ってはいるが、なにぶん今回は少し慌ただしい任務だった。身体に疲労が溜まっているのがわかる。
施設の外へ出て身体を伸ばすと、視界に入った空は気持ちが良いくらいの快晴だった。
キリ「……今、どこにいるんだろう」
ぽつりと出てしまった言葉が示すのは、他の誰でもない奈良シカマルを求めての言葉で。
キリはハッと辺りを見渡した。
きょろきょろと辺りをうかがってみるが、どうやら近くには知り合いもおらず、誰の耳にも入っていなかったようで、ホッと安心したその時だった。
カカシ「誰? 誰が? ねぇキリ。誰を探してるの?」
キリ「カ、カカシさんっ!」