• テキストサイズ

ささめごと -ながい夢- 【NARUTO】

第86章 景色は色付いて






シカマルはキリに効力のある薬が作れると、シカクに報告したが。その材料では解毒剤にはならないと告げられ、キリの痛みが引いたのは、ただの偶然だった事を知った。


キリ(……違う)

シカ「たまたまそうなっただけで、俺の解毒剤は何も関係ねぇ」


キリ「違うわ。確かにあなたのおかげで痛みは引いた」


そう言っても、違うと言うシカマルに、キリは首を振ってそれを否定する。



この暗殺が、もし暗部によるものだったのなら、ここまで胸が痛むこともなかっただろう。

優しげなフミを。シカマルやシカクとも関わりがあるようなフミを使って、計画的にされたものだったから、なおさら心が苦しくなったのだ。


ただでさえ、生きることへ罪悪感があったキリに、それは拍車をかけることになる。

やはり、自分が普通に生きていてはいけないのだと、許されないのだと、そう思ったのだ。


締め付けられるような激しい胸の痛みは、毒による影響ではなくて、心が痛みを訴えていたのだと、後から気付いた。

傷に傷を重ねて広がり続けるそれを、シカマルが止めてくれた。



キリ「あなたが私に、懸命に解毒薬を作ってくれて」

その時のシカマルは、手足の痺れも少しでもどうにかならないかと、キリのために必死になってくれた。


キリ「ここへいて欲しいと言ってくれたから」

だから、胸の痛みはするりと取れていったのだ。


それが解毒薬となり、キリに今一番必要なものだった。


キリ「あの時の私には、その言葉が何より嬉しかった」

/ 1018ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp