第82章 親友
そうしてシカマルが顔を上げれば、 イチカと、その他には5人の姿があった。
樹の里の額当てを持っていることからも、イチカの連れであることは分かる。シカマルは医療忍術を施してくれているそれを見つめて、握ったこぶしに力をいれた。
どう考えても、この状態でナガレたちのところへ突っ込むより、イチカたちと協力して事を進めるのが正解だ。
イチカの言うように、このままナガレたちとの再戦を望んだところで、シカマルは犬死に終わるだけだろう。
そんな入学したばかりのアカデミー生でもわかるような展開を、迫る焦燥で見えなくなっていた自らを恥じる。
シカ「今、ここにいるっつーことは、お前もキリを助けに来たってことでいいんだな?」
この傷を見た瞬間、ナガレによるものかと聞くぐらいなのだから、ある程度のことも把握しているのだろう。
イチカ「そうよ」
それならば、今することはもう決まっている。
シカ「状況を説明する。みんな近くに集まってくれ」
シカマルが今すべきことは一つだ。
治療に費やしている時間に、互いの情報を擦り合わせて、キリを助ける策を一つでも多く示すこと。
輪を作ったシカマル、イチカたちは簡潔に互いの認識を伝え合った。
次に各戦闘能力、戦闘スタイルから戦闘時のチーム戦へも備えていく。
擦り合わせをしている中で、イチカたちの存在を知らないナガレに、この状況を利用しない手はない。ということが、満場一致で決定された。
特攻と見せかけたシカマルがきっかけとなり、奇襲をすることに決まったのはいいのだが。
その奇襲時の方法で、イチカとシカマルは衝突することになる。