第81章 迎え
くるりと踵を返したナガレの後に、それぞれが続く。
ナガレ「さくっと壊して、早く樹の里へ帰ろうか」
そうして、ナガレたちが木ノ葉の中心部へと足を踏み出そうとした時。
ナガレ「……また君か」
ナガレは、不愉快そうに顔を歪めた。
シカ「そうはさせっかよ」
敵陣へ飛び込むと同時に、印を完成させたシカマルから、6本の影が伸びる。
『『!!』』
シカ「チッ」
全ての影を躱されたシカマルは、舌打ちながらもナガレへとクナイを向けた。
ガキンッと金属音が響き、そのクナイはナガレに届く前に、二人の忍によって防がれる。
ナガレを庇うように間に入った忍に、眉間への皺を増やしたシカマルの眼前には、苦虫でも噛み潰したかのようなナガレの表情。
ナガレ「……生きてたか」
そう言って、ちらりとキリを一瞥したナガレは、シカマルへ視線を戻して、今度は嘲笑して見せた。
ナガレ「よほど死に急いでいるみたいだね。この人数相手に、どうするつもりかな」
ナガレ、キリ、そして四人の忍。
これをたかだか下忍ごときが、どうするというのか。
シカ「関係ねぇよ。一人一人潰していくだけだ」
キンッと重なり合っていたクナイを払ったシカマルに、ナガレは可笑しそうに笑った。
ナガレ「若いな。勇気と無謀は、違うものだよ」
残り二人の忍は、シカマルの後方へ回り、四方を囲まれたシカマルは即座に印を組み始めた。
ゆらりと動いたその影に、ナガレは小さくため息をついた。
ナガレ「馬鹿の一つ覚え、だね。確かに、面白い技だが……もう飽きた」
くっと顎で合図をしたナガレに従い、四人の忍が一斉にシカマルへと攻撃を仕掛ける。
シカ「がはっ」
四方からの攻撃が、シカマルの身体をとらえた瞬間。それはボンッと煙を残して姿を消した。
ナガレ「!」
『『!!』』
ナガレ(変わり身か……!)
そこへ、間髪入れずに煙玉が投げ込まれ、一同の視界は塞がれた。
ここだと、シカマルは敵陣へクナイを放ってから、自身もクナイを構えて特攻する。
そして、それとまったく同じタイミングで、敵陣へ乗り込む者がいた。