第18章 招かれざる来訪者
日中の里内で二度の奇襲。それだけでも異常事態だ。キリ一人での行動は危険過ぎる。
シカク「これから男の捜索を行う。お前はそいつが見つかるまで、しばらくうちで生活をしろ。いいな」
キリ「私は大丈夫です」
シカク「駄目だ。一緒に来い」
キリ「ですが、私はーー」
シカク「キリ、隊長命令だ」
キリの言葉を遮って、シカクは言い放つ
シカクは隊長命令という言葉を酷く嫌っていた。
上司という立場やキリの性格を利用し、有無を言わせずに言う事を聞かせるなんて本意ではないのだが。今回ばかりはキリの言い分を聞く余裕はない。
キリは苦い顔をして沈黙した後、小さく返事をした。
キリ「……はい」
…………………………
決して良いとは言えない雰囲気のまま、シカクとキリは奈良家へとたどり着く。
シカク「この部屋を使ってくれ。隣にはシカマルがいるから何かあれば呼んだらいい。下には俺もいるしな」
キリ「………」
シカク「家の中はどこでも自由に出入りしてくれて構わねー。ただ、薬剤庫の無断使用は禁ずる」
キリ「はい」
シカク「キリ、そう気を張るな。うちでは楽にしてくれればいい」
ぽんぽんと頭をなでてから、部屋を出ていくシカクの背中を見つめて、キリは深くため息をついた。