第18章 招かれざる来訪者
その後も沈黙を守り続けていたキリに、時間をかけて事情を聞く。
するとキリはシカクが引くことはないと悟ったのか、諦めたように話を始めた。
キリの話によると、キリが自宅でうたた寝をしていたところ、突然何者かに襲われたらしい。
相手はフードを目深に被っており、顔を見ることは出来なかったらしい。背後から押さえ込まれた時の力の強さや体格から、大人の男であることはわかったようだ。
話を聞いて、シカクは眉を寄せる。
シカク(里の忍か?上層部ではキリを良く思ってない奴らもいるが……)
今は犯人を特定出来るだけの情報はない。
シカク「またいつこんな事があるかわからねー。キリ、そいつが見つかるまでうちに来い」
キリ「結構です。家の中まで来ることはないと油断していただけです。次からはこんなミスはしません」
シカク「家の中まで?キリ、お前今回みたいな事は初めてじゃねーのか」
キリ「……………」
黙り込んでしまったキリの態度が、無言の肯定を意味していた。
シカク「キリ」
シカクがキリの目を見てそう言えば、キリは視線を逸らしながら答える。
キリ「……二度目です。以前、里内で一度」
シカク「なんでそれをもっと早く言わねーんだ!」
キリ「自分の身は自分で守れます」
さっきも油断はしていたが、あれから反撃に出るところだったと言うキリにシカクの口調は強まる。
シカク「相手が忍で、上忍レベルの実力があったらどうするつもりだ。何かがあってからじゃ遅い」