第79章 大公開告白の裏側で
いの.サクラ「あーわかるわー……」
キリの今の気持ちが、凄くよくわかる。ここまで言われれば、誰でも照れ無くしていられないだろう。
そんな女がいるなら、ここに連れてきて欲しい。
今のキリは、返事を返さなくて無視をしている形では、きっとない。
カカシ「まあ返さないじゃなくて、返せないだよね」
それもわかるわかるーと、うんうん頷くカカシ達からは、こちらに顔を向けている二人の姿がよく見えている。
かたやこれ以上赤くなる事は、不可能なほどに真っ赤な顔をしたキリと、かたや不安と焦燥に駆られて、つらそうな顔を見せるシカマル。
同じ会話をしている張本人達のはずなのに、よくここまで対照的になれるものだと思う。
カカシ「うーん……」
シカマルも大変そうだが、キリも色々と大変そうだ。
そんな二人を見かねて、カカシはわざとらしい咳払いを行った。
すると、こちらに視線を向けたシカマルと目が合って、カカシはやっほーと片手を上げると、そのまま合図を送る。
カカシ(シカマルそこからじゃなくて、前に回って、キリ見てみて)
そして、早くその真実に気付いて、どうにかしてあげてくれ。
ようやく事態に気付いたシカマルが顔を真っ赤に染めたのを見て、やれやれとカカシは肩をおろした。
アスマ「ぶふっ、はっ……くくっ」
さすがに今声を出してはいけないと、先ほどまで頑張って声を押し殺していたアスマが、堪らずに吹き出したのを見て、カカシは苦笑する。
カカシ「アスマ、お前ね……笑いすぎでしょ」
アスマ「くそっ駄目だ耐えれねぇ」
「カカシ助けてくれ」と、涙目で言うアスマをスルーすれば、ちょうどキリが瞬身の術で逃走したところが見えた。
カカシ「早い早い」
それは下忍では追えないレベルの術の精巧さ。