第79章 大公開告白の裏側で
もうあれだ。
自分よりも先にいるだとか、そんな可愛いレベルではない。
一番遠いと思っていたシカマルは、ずぅっと先を爆走しているではないか。
その後も止まることなく続いたシカマルの想いの連撃に、騒がしかった一同は勢いをなくしていた。
一同「「「…………」」」
シカマルの口から溢れ出る、好きだ、好きだ、好きだの嵐。
はじめの頃、困惑の色が強かったキリはシカマルをというよりは、自分のことをずっと否定していた。
こんな自分だから駄目なのだと、シカマルにそう伝え続けていた。
そして、そんなキリ以上に、いかに自分はキリのことが好きなのだと、口を挟む暇もないほどに伝えるシカマル。
そもそも、今回はキリの分が悪かったように思う。
まるで、予期していないこの戦いに、キリの備えはゼロだったが、シカマルは長い間培われた精神力と、何があっても諦めない気持ちが全面に出ていた。
こと恋愛に関しては、丸腰状態だったキリに、シカマルは重装備、大砲付きで挑んだのだ。
もともと、突如始まったこの展開についていけていないキリは、はじめから押され気味であった。
そして、返す言葉も追いつかなくなってきたキリはついに。
【初めて、守りてぇと思った。お前を支えるのは、他の誰かじゃなくて俺がいい】
【恋愛なんて、こんなめんどくせぇ事、お前以外とやるつもりはねぇよ】
【俺がこんなにも惚れんのは、後にも先にも、キリだけだ。お前しか見えねぇ】
この三連打に、完全に言葉を失うことになる。
それと同時に頬を染めたキリは、いつもの硬い守りが消えて、普段よりずっと年相応に見えた。