第79章 大公開告白の裏側で
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イルカとカカシの間に埋まらない溝が出来る中。
綱手は火影室の窓に、一羽の鳥が訪れた事に気付く。
その伝達用の遣いの足から、一枚の文を取れば、綱手は内容に顔をしかめた。
カカシから寄越されたその文には、カカシの独断で説明会の開催を延ばしたと書かれているではないか。
綱手「あいつはまた勝手なことを……」
シズネ「綱手様、どうかしましたか」
綱手「いや、今カカシから説明会延期の連絡が来た」
一体カカシは何をやっているのだと、大きなため息をついて、手もとを覗き込むシズネと共に、二人は文を読み進めていく。
綱手.シズネ「!!」
すると、そこへ続く文章に、綱手たちは目を止める。
【追伸、今広場へ来ると面白いものが見れますよ。
題して、みんなの前で、シカマルがキリに大告白!?
好きだと叫んだシカマル……二人の恋の行方は? 気になる続きを見守ろう大作戦実施中!】
綱手.シズネ「………」
小さな沈黙が二人を包んで、それはすぐに破られることとなった。
綱手「シズネェェ!!」
シズネ「綱手様!!」
互いに目を見合わせた二人は、手に持っていた書類を同時に放り捨てる。
綱手「広場へ急ぐぞ!」
シズネ「はい!!」
ガッと奥から酒瓶を取り出した綱手は、火影室を飛び出すと、シズネも全速力でそのあとを駆ける。
こんな、こんな面白い出来事がほかにあるだろうか。
酒のつまみには最高過ぎるだろう。
愚行だと思ったカカシの判断は、ファインプレーだと後で褒めてやろう。