第79章 大公開告白の裏側で
アスマの言葉を受けて、ようやく理解した。頭が湧いているなら仕方がない。
イルカ「ああ……なるほど。わかりました」
カカシ「え、イルカ先生?」
少し感動というのか、カカシを見直した先ほどの時間と自分の感情を返して欲しい。
ひどく損をした気分だ。
カカシ「イルカ先生、色々理由があって……その残念なものを見る目やめてくれます?」
イルカ「あ、はい。大丈夫です」
もうあまりこの生物と関わってはいけない気がして、イルカもカカシから視線を逸らした。
カカシ「………」
その後もしばらく、違うのに、いや違わないのか……いやでも、だとかなんとかボソボソと落としていたカカシには、もう触れないでおいた。
もう完全に、まともに取り合ってくれなくなったイルカに、カカシはぽりぽりと頬をかく。
カカシ(はぁ、まあ今はキリ達が上手くいってくれればそれで)
そう願って、カカシは巻物をひとつ取り出した。
カカシは巻物を広げて口寄せをすると、そこに一羽の鳥が現れた。
そして、カカシは懐から取り出した紙に、さらさらと書き記していく。
カカシ(えーっと……説明会は、しばし延期する、と)
その旨を記した紙を、きゅっと鳥の足へと結べば、伝達を託された鳥は、大きく羽を広げた。
カカシ「火影室までお願い」
この一大事だ。
説明会よりも大切な時間というのは、存在する。
今しかない時間が、ここにあるのだ。
今を逃せば、シカマルたちに、次はいつこんな機会が訪れるかわからない。
いつでも可能な説明会の内容は、まだもう少し先でも、問題ないだろう。