第79章 大公開告白の裏側で
イルカ(なっ見守るって……)
カカシ「今、瀬戸際なんですよ」
じっと二人を見つめて、真剣な表情を見せるカカシに、イルカも大人しくすれば、カカシはそっとイルカの口を押さえていた手を離した。
イルカ「瀬戸際と言っても……」
シカマルの様子から見ても、余裕のなさそうなそれに、真剣さは充分に窺えるのだが、説明会はいいのだろうか。
カカシ「はい。今凄く大事なんですよ」
そう言って、シカマルたちを見守るカカシに、イルカは少しカカシに対しての認識を改める。
こんなにもシカマルとキリに、生徒たちに、真摯に向き合っている人なのだと見直した。
イルカはカカシに、にこっと笑顔を見せる。
イルカ「……俺、カカシ先生のこと少し誤解してたかもしれまーー」
カカシ「シカマルの嫁が俺になるか、キリになるかの」
イルカ「……はい?」
イルカ「カカシ先生、今なんて?」
先ほどのはきっと、イルカの聞き間違いだったのだろう。
カカシ「だから、シカマルの嫁が俺になるかキリになるか、瀬戸際なんです」
わかりますか。とでも言うようなカカシに、いやわからねぇよと返したい。
イルカ(何言ってんだこの人……)
理解不能な生物に出会って、イルカは怪訝な顔を見せる。
アスマ「カカシお前嫁になれるかって、シカマルの事だったのかよ」
カカシ「まあね」
先ほどまで、愉快そうにニヤリと百点満点のいやらしい笑みを浮かべてシカマルを見ていたアスマは、引き気味にカカシに視線を向けた。
目の前で交わされる上忍二人の会話が理解出来なくて、イルカが困惑していると、アスマは煙草に火をつけて、シカマル達へと視線を戻した。
アスマ「イルカ、あんまり気にすんな。頭湧いてんだよ」
カカシ「ちょっとそれ俺のこと?」